幼い頃、誰もが読んだことのあるイソップ物語の『北風と太陽』。
最近改めて読み、
セールスの視点でたくさんの気づきがありました。
簡単なあらすじは、
どちらが強いか口論をしていた北風と太陽が、ある日、
旅人のコートを脱がせた方が勝利という戦いを始める。
北風は、
力ずくで吹き飛ばそうと必死に風を吹き付けるが、
旅人は上着を飛ばされまいとしっかり押さえ、
あまりの寒さに
もう一枚着込んでしまい諦めてしまう。
一方の太陽は、
旅人を暖かな日差しで照らしていく。
すると旅人は段々暑くなって着て上着を脱ぎ、
しまいには全て脱ぎ捨て、暑くて川へ水浴びに行った、
というお話。
つまり、
人に何かをさせるには、力ずくでやるのではなく、
相手がその気になるように知恵を絞ったり、
相手の気持ちに寄り添う方が効果がある、
という教訓です。
これをセールス論として考えてみると、
強制(上着を無理やり吹き飛ばす)ではなく
自発性を引き出す(自分から脱がせる)
方が効果的だと言えます。
北風が、「押し売り・煽りの手法」
太陽が、「顧客の潜在ニーズを引きだす手法」
です。
押し売り・煽りの手法とは、
・興味のない顧客に商品のメリットばかり並べ立てる
例えば
○週連続ランキング首位獲得!!!!○○がもらえるのは今だけ!!
今買わないと損する!
といった煽るようなキャッチコピーのイメージです。
一方、 顧客の潜在ニーズを引きだす手法 とは
・顧客のニーズを理解し、それを思い出させる
例えば
○○なことで困っていませんか?
○○なお悩みはコレで解決!
といったように気づきを与えるキャッチコピーです。
よく考えれば当たり前なのですが、
セールスというのは
訳すと「売る」という意味ですが、
その本質は
お客様が自分の意志で「買う」
ということですよね。
北風のようにゴリ押しをしても
お客様が自ら商品を買うことには繋がらないのです。
売ろうとしない。
だからこそしっかりしたマーケティングで、
顧客の求めているニーズや
何を欲しいと思っているのかをリサーチすることが
大事なのです。
顧客自身が悩んでいること、本当はこうしたいと思っている、
その潜在ニーズを引き出し、
そこに訴求できるような商品づくりや
キャッチコピーを生み出していくことが
求められています。
企業は、太陽ように、
上着を自ら脱いでもらうためには?と、
顧客の自発性を引き出せるように
知恵を絞ることが必要なのです。
もし今、売ろう売ろうと押し売りの手法に走っていたとしたら、
それはあまりいい結果を生まないかもしれません。
是非、『北風と太陽』からの学びを生かしていきましょう!!