先日、11月にいよいよ迫ったカタールW杯の
日本代表メンバーが発表されましたね。
メンバー発表会見に臨んだ森保監督は、
「これまでの活動、今の選手の置かれている状況、
そしてワールドカップでの戦いを見通した時に、
総合的に考えて”今のベスト”として選考させていただきました」
とのこと。
選手をどのように選ぶのか聞かれ、
A代表のコーチ・スタッフ陣が現在10名いて
そのメンバーで討論しながら決めていると答えていました。
まずは直近のベンチマークとなる試合での布陣をベースに、
同じポジションで可能性のある選手、
調子の良い選手などを加えながら
選んでいるそうです。
てっきり監督が一人で決めているのかと思っていたので
本当に時間のかかる工程を敢えて選択されていることに
感心してしまいました。
選手はもちろん代表スタッフ全員と、
どんなチームにしたいか、
組織としてどう戦うのか、など
ビジョンやチームカラーを明確にして
共有していないと出来ない作業だからです。
そして私は密かに毎大会、日本代表のユニフォームにも注目しています。
なぜならユニフォームは、チームビジョンを体現し、
明確なコンセプトの上に開発されたアイテムだからです。
今回のカタールW杯で日本代表の最新ユニフォームを開発したのは
アディダスジャパン株式会社。
今回のユニフォームのコンセプトは〝ORIGAMI〟だそうで、
開発を担当した高木氏は、
「カタールを歓喜の地にしたい、という想いがあり、
その歓喜をもたらす祈りの象徴として
『折り紙』をデザインコンセプトに作った。
韓国と共催で行われた2002年のW杯決勝の地に、
優勝チームを祝福するかたちで270万羽の折り鶴が舞い
20年後の今年、そのような歓喜の中心に
サッカー日本代表がいてほしいな、という想いを込めて、
折り紙をデザインコンセプトにした。」
と語っていました。
折り紙に山折りと谷折りがあるように、
日本サッカー100年の歴史も、
山あり谷あり色々な歴史が重なって今がある。
ORIGAMIは、日本文化としても広く他国でも知られており、
世界にアピールできるコンセプトですね。
もちろんユニフォームの着心地や通気性など、
商品そのものが選手の優れたパフォーマンスを
引き出すことが大前提ですが、
こうしたコンセプトやその背景にあるイメージを知ることができると、
W杯に色々な形で関わる人々の想いに触れられた感覚になり、
応援にも熱が入ります。
また、ホームとアウェイで異なる色やデザインの違いを楽しんだり、
各国それぞれのチームカラーやデザインのコンセプトも
知りたくなりますね。
そして世界人口の約半分、
35億人以上が観戦するといわれるW杯は、
スポンサー企業にも注目が集まります。
W杯は特に広告効果が絶大なので、
1社で年間50億円規模のスポンサー料になり、
W杯の収入源のうち全体の3割を超え、
TV放映権に次いで第二の収益の柱となっています。
全ての試合やイベントで広告を出す権利のある
「FIFAパートナー」という最上位のスポンサーは、
1業種1社しか契約できない点も大きな特徴で、
adidasが契約している間は、NIKEは契約できないので、
競合他社に対して圧倒的な差がつけられます。
2014年以降のFIFAパートナーの顔ぶれを見ると、
最上位のスポンサーにいた日本のSONYは消え、
年々中国企業の数が増大しています。
2022年現在は、FIFAパートナーとW杯パートナー全14社のうち、
中国企業と、韓国、インド、シンガポールのアジア企業で7社を占めており、
中国企業なくして開催できない大会となっているのが実情です。
FIFAもスポンサー料集めに苦戦していることもあり、
以前から不透明な資金の流れが問題視されていましたが、
ついに開催地投票における票の買収疑惑と
テレビ放映権をめぐる贈収賄疑惑で逮捕者が出てしまったことで、
FIFAに対する疑惑の目が一層強くなりました。
それでも世界中のサッカー熱は衰えることがなく、
スポーツビジネスとしての市場価値は相当高いものです。
今、日本のサッカー人気が若干下火になっていると言われていますが、
今後日本企業がワールドカップのスポンサーというビジネスチャンスを
どう捉え動いていくのか注目されています。
日本でまたサッカー熱が沸き上がり、
継続して人気を得ていくためにも、
カタールW杯でORIGAMIのユニフォームをまとった
日本チームの活躍と勝利を応援したいですね!