アップサイクルで唯一の無二の価値へ

」という言葉を
聞いたことがありますか?


不用品や廃棄物に
新たな付加価値を持たせることで、
別の新たな製品として
もの自体の価値を高めることを言います。

そんなアップサイクルで
最近女性に人気があるのが
「金継ぎ」です。

最近では
金継ぎのワークショップが開催されていたり、
自宅でできる簡単キットも販売されています。

ものが溢れている現代においては、
壊れたら捨てて新しく購入する、
という方法が一般的です。
しかし、それほどものが多くなかった時代には
壊れたものを修復して使う、
というのが当たり前でした。

日本人特有の
「ものを大事にする心」によって
生まれたのが
【金継ぎ】という素晴らしい技術です。

割れた食器や欠けてしまった部分を
漆の接着剤でくっつけたあと、
丁寧に金粉を塗っていき
割れや欠けを継いでいきます。
金粉を塗ることで
新たに金色のラインが入り、
この世で唯一無二の製品に
生まれ変わるのです。

どこにでもある
一枚の既製品の食器が
・一点もの
・自分が作ったオリジナリティ
・金継ぎという【体験】で得られた体験価値
このような付加価値がつきます。


この金継ぎの技術は
海外でも大変注目されており、
「Kintsugi」のGoogle検索数も
ここ数年で急増しています。

注目される理由の一つに、
欧州やアメリカを中心に、
ビジネスにおいて
サステナビリティと
サーキュラーエコノミーを
推し進めるための取り組みが
推奨されていること
が挙げられます。

世界各国が目指す
サーキュラーエコノミーとは
資源や製品が高い価値を保ったまま
循環し続ける社会経済のことを指します。
このサーキュラーエコノミー実現において、
製品をできるだけ長く使い続けることは
特に重要視されており、
製品の修繕はその要となります。

ただ、製品にいくら修繕を施し、
物理的に長く使えるようになったとしても、
使い手がその製品に
興味を失っては意味がないのです。

破けてしまったズボンをただ縫って履いても
愛着が湧かない=大切にはしない。
そのうち捨てる可能性大ですよね。

金継ぎの技術は、
一度は壊れてしまった製品を
ただ壊れていない状態にするだけではなく、
美しいアートを施し、
金継ぎの体験を通してストーリーが刻まれ、
芸術的価値をともなった
新たな製品に仕立て上げることなのです。

製品の物理的耐久性だけでなく、
情緒的耐久性を上げるための
ひとつの手段ともなる、

とも言われています。

経年劣化ではなく、
経年美化という言葉が
似合うような、
趣きや愛着を生み出す戦略ともいえます。

アップサイクルには他にも、
シミや色落ちした洋服などを黒染めし、
新たな製品に生まれ変わらせている
老舗染物店の事例もあります。

アメリカのアルバトロス・デザイン社は
カミソリ購入者から集めた
カミソリの刃を再生し、
ナイフ・フォーク・スプーンの
携帯用カトラリーセットを作るなど、
世界中で様々な取り組みがされています。

ものが古くなる、壊れるという当たり前の現象を
ずっと愛着をもって使い続けられるよう、
価値を高めて生まれ変わらせる
「アップサイクル」。
ビジネスマインドにおいても
とても大切な要素です。

今みなさんの周りにある
製品、サービス、技術、教育システムなども
どんな風にアップサイクルできるか
考えてみるのも面白いですね。

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