新提案!「ファンマーケティング」戦略 勝負の掟

プレデビュー曲のMV再生回数が2週間で1000万回を突破した
『BE:FIRST』をご存じですか?

彼らはアーティスト兼社長という異色の肩書をもつSKY-HIが、
自腹で1億円を出資して開催した
『THE FIRST』というオーデション番組から生まれた、
日本発の7人組ボーイズグループです。

昨今、Nizi Projectから誕生した『NiziU』や
PRODUCE 101 JAPANから誕生した『JO1』など、
サバイバル形式のオーデション番組が盛り上がりを見せています。
どちらのオーデション番組も、
韓国のエンターテインメント企業や
大手事務所が主催として名を連ねており、
アジアのボーイズ・ガールズグループを牽引する
韓国の影響力の強さを感じます。

国民投票と呼ばれる視聴者投票で親近感や当事者意識を持たせ、
視聴者の盛り上げが上手だと感じます。
ちなみに日本では、
テレビのオーディション番組から大型アイドルが生まれる例は
「モーニング娘。」を最後に絶えていました。

今話題のBE:FIRSTが誕生した
オーデション番組『THE FIRST』は、
オーディションでありながらも
育成プログラムであり、
歌やダンスが未経験でも、
伸びしろや音楽に対する姿勢を評価していました。

また、音楽ファーストを掲げるからこそ
視聴者の人気投票は行わず、
主催者の独断と偏見で選ぶというスタイル。
主催者なのに合宿所で参加者たちとと寝食を共に過ごし、
選ぶ・選ばれるという上下関係ではなく、
兄・同志のような信頼関係を築いていたことが
とても新鮮でした。

常に参加者に対して具体的に
言語化して伝えていくことで、
彼らの成長スピードが凄まじく、
それは一般社会における人材育成や育児の場面でも
生かせるような気づきがありました。

仲間同士が切磋琢磨して成長していく姿は
青春であり、
人間がひたむきに努力する姿は
一つのコンテンツとして
とても強いことを認識させられました。

コロナ禍によるエンタメの渇望、
ステイホームもブームに押し上げた
要因の一つかもしれません。

今回、BE:FIRSTが誕生するまでに
「ファンマーケティング」が緻密に設計・実行されていました。

つまり「ファンマーケティング」とは

―――――――――――――――
熱狂的なファンを作り
効果を期待値まで育成する
新しいマーケティング手法

―――――――――――――――

です。

商品の購入頻度が高い人というよりは、
その商品やサービスを提供する企業自体にも愛着を持ち、
周りの人に薦める伝道師のような役割をもつ
熱いファンの存在によって、
新規顧客が生まれていきます。

ファンマーケティングの成功のためには、
SNSやオウンドメディア(自社サイト)など
さまざまなチャネルを利用することがポイントです。

オーディション番組におけるファンマーケティングでは、
やはりTwitterやInstagramなどのSNS、YouTube、
自社サイトなどの複数チャネルからのアプローチが大切で、
顧客に合わせて公式の情報を発信することで
顧客がファンへと変化していきます。

これは比較的長期間、デビュー前の参加者が複数チャネルに登場し、
視聴者への浸透を図る手法です。

今回は
有料会員配信のHulu
➡無料オープン放送メディアの地上波テレビ
➡無料オープン配信メディアのYouTube
という3つの媒体を組み合わせる設計になっています。

そこに一般的には、オープンSNSと呼ばれる
TwitterやInstagramを絡めていくのが主流です。

しかし、オープンSNSでは通りすがりの人も多く
その見極めが難しいのと、
時には意図しないことで
アンチコメントなどが殺到することもあります。

そこで本当に応援してくれるファンのために、
月額500円の従来型のファンクラブに近いものと、
月額5000円のオンラインサロン型のものを2種類用意し、
クローズドのファンコミュニティを運営しているのも
新しい取り組みです。

こうしたクローズドSNSでは、
ライブチケットの先行予約特典や、
ファンが喜ぶメンバー情報や動画等を発信することで、
ファンは特別感を持つことができ、
一方会社は運営資金を獲得し、
まさにwin-winの関係性を実現していると言ってよいでしょう。

プロモーションという側面からこの現象を見ると、
商品展開前(デビュー前)からの顧客(視聴者)のエンゲージメント、
つまり企業と顧客の信頼関係が強く結ばれていることで、
視聴者を巻き込み、
一緒に盛り上げる設計
になっています。

デビューは年内ということですが、
HuluやYouTubeでは引き続き飽きさせないよう
様々な関連コンテンツが配信されており、
同時に各媒体へのプロモーション活動も活発になってきています。

彼らの活躍と共に、ファンマーケティング手法に
これからも注目していきましょう。

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