「睡眠改善サービス」が盛り上がっているワケ

睡眠とは、人間の三大欲求の一つであり、
世のビジネスパーソンにおいては
特に重要な関心事です。

日本人は働き者だとよく耳にしますが、
実は世界的に見てもトップクラスの
「眠れていない国」なのです。
20歳以上の39.2%は睡眠時間が6時間未満と短く、
経済協力開発機構(OECD)が調査した33カ国のうち、
日本の平均睡眠時間は最低の数字です。

睡眠には、「脳や交感神経を休ませる」
「成長ホルモンで代謝を促進する」
「記憶の定着と整理を進める」といった、
人間にとっての生命維持と
豊かな生活を送るための重要な役割があります。
睡眠不足が何日も続くと、
睡眠負債が蓄積されて疲労感が抜けず、
仕事のパフォーマンスにも大きな影響を及ぼします。

世界的なシンクタンクである米ランド研究所は、
睡眠不足による日本の経済損失額は、
最大で年間15兆円にものぼる
と試算しています。

そのため企業としても問題意識をもち、
世の中の声も、睡眠の質の改善に対する需要が
高まっていることを背景に、
ITテクノロジーを駆使した
様々な睡眠改善サービスが登場
しています。


例えば、SleepTech(スリープテック)ベンチャーの
ニューロスペースが開発した法人向けサービスの
睡眠習慣デザインプログラム
「lee BIZ(リー・ビズ)」。
これは、専用の睡眠計測デバイスと
スマホアプリを用いて
企業が従業員の眠りを改善するためのプログラムです。

ロート製薬は健康経営の一環として、
このlee BIZを導入しているほか、
睡眠に関する研修やワークショップ等へ参加するなど、
3ヶ月間で従業員が、良い睡眠習慣を身につけることを目的とした
取り組みを行っています。

他にも、寝具メーカーのパラマウントベッドは、
医療や介護分野でのビジネスで得た
ノウハウを詰め込んだ高性能自動運転ベッド
「アクティブスリープ」を展開しています。
スマホでベッドの動きを調整でき、
ユーザーに合わせた最適な入眠姿勢に調整したり、
自動運転機能で寝返りを打ちやすいように
ベッドの形を調節することで、
寝心地の良さの向上に繋げています。

「良い眠り」を提供し、
「眠りの質を見える化」するビジネスの市場規模は、
今後さらに拡大していく
と思われます。

しかし、便利なツールがどれだけ登場したとしても、
ただ漫然とサービスを受動的に与えられているばかりでは、
睡眠の質は向上していきません。
まずは自分自身の生活習慣を見つめ直し
できることから取り組んでいきながら、
その上で便利なスリープテックサービスを活用し、
より良い質の睡眠を手に入れられるといいですね。

今後のスリープテックのビジネス展開にも
注目していきたいと思います!

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