最近、「体験価値」や「CX」
という言葉を耳にしたことありませんか?
商品やサービスが持つ
機能的な価値だけでは、
差別化を図りにくくなっている今、
注目されているのが
「体験価値」、
「CX(カスタマーエクスペリエンス)」です。
具体的には、
商品やサービスの
機能的な価値にとどまらず、
それらを通じて顧客が得る、
感動や満足度、
喜びやワクワクといった
心理的感情や価値を含めて
評価したものをいいます。
そして、このCXの概念を提唱した
アメリカの経営学者バーンド・H・シュミット氏は、
感情的な価値を5つに分類できるとしています。
・Sense(感覚的価値)
五感の刺激によって作られる価値。
例えば香り高いコーヒーや、
店内のBGMや素敵な内装などです。
・Feel(情緒的価値)
顧客の内面に働きかけることで得られる価値。
例えば体験イベントなどで
嬉しさや可愛さなど、
心を動かされることを指します。
・Think(知的価値)
顧客の創造性や知的欲求に訴えかける価値。
例えば
商品の仕組みを学ぶものや、謎解きなどです。
・Act(行動、ライフスタイルにかかわる価値)
ライフスタイルや行動における
新しい価値を提供すること。
例えば
新しい習い事や体験型アクティビティなどです。
・Relate(社会的経験価値)
特定の集団に属することで得られる経験価値のこと。
例えば、ファンクラブや限定イベントへの参加など、
帰属することで特別感を得られる価値などです。
商品・サービスを継続して選択してもらうためには、
質や価格だけでなく、
上記に上げた感情的価値のフェーズで
顧客の満足感を高め、
ファンになってもらうことが
重要だと言えます。
コロナ禍になり、
今まで通りの販売戦略や
運営が難しくなった企業も多いですよね。
例えばディズニーリゾートを運営する
オリエンタルランドは、
緊急事態宣言で休園、
その後も人数制限をした
時短営業をせざるを得なくなりました。
そうなると必然的に、
客単価をどう上げるかに
考えをシフトしなければなりません。
今年のハロウィーン期間には、
通常より4000円以上高い、
1万3000円の
「ハロウィーンモーニング・パスポート」
を発売しました。
このチケットを持っている人は、
一般客より2時間早い、
午前8時から入園可能で、
この時間限定の特別パレードも鑑賞可能。
一般客が入る午前10時までは
園内はがらがら。
しかも通常は認められていない大人の仮装を
楽しむことができます。
ウィズコロナの時期に入っても、
感染対策上今までのように
入園者数を追い求めることは難しいと考え、
顧客に特別な体験を提供することで、
1人当たりの客単価を上げる戦略に
舵を切ろうとしています。
顧客の体験価値、
CXの向上を重視した新たなマーケティングで、
客単価を上げ、
顧客の感情に訴える新たな価値の提供は、
ウィズコロナ時代を乗り切るための
戦略の柱になりそうですね!